
毎年、中途採用の活動をしている大手の企業様とは異なり、中小企業で定期的に採用活動をしている企業様はあまり多くは無いのではないでしょうか。
数年ぶりの採用の企業の採用担当者の方は、採用通知書の知識も乏しく、採用時の手続きや書類作成で困ることがあるのではないでしょうか。
今回はそんな採用担当の方に向けて、採用通知書において記載すべき事項や書き方をご紹介したいと思います。
採用通知書とは何か
まず初めに採用通知書とは、企業が求職者に対して正式に「あなたを採用します」という意思を伝えるものとなり、求職者は採用通知書を受け取って採用が決まったと判断するものとなります。
採用通知書は必ず発行しないといけないものではありませんが、求職者に採用の意思を伝え他社への流出を避けるためにも、企業側が採用を決めたらすぐに発行することをお勧めします。
採用通知書と内定通知書の違い
採用通知書とは別に、内定通知書という書類もあり混同している企業様もいるかと思いますので簡単に違いをご紹介したいと思います。
大きな違いとしては読んで字のごとく、採用通知書と内定通知書との違いは、「採用の決定」の通知なのか、「内定の決定」の通知なのかという点です。
採用通知書:採用の決定
採用とは、求職者の方と面接などを行い企業側がその選考の結果、求職者の方を雇用すると意思決定したものとなり、企業側の意思として決定されるものとなります。
求職者が入社したいかどうかは別として、企業側の採用決定意志を表すものが採用通知書であり、そこには法的に求職者を拘束する力はありませんのでご注意ください。
内定通知書:内定の決定
内定通知書はでは、企業が求職者と面接などを行い、選考の結果、求職者を雇用する意思決定がなされ、求職者の方の「入社する意思」も確認ができた状態を指します。
内定通知書には労働契約の効果があり法的に求職者を拘束する力もあります。
新卒採用などで使用されることが多く、新卒採用については卒業・修了年度の10月1日以降に正式な内定通知を出せることが決まっております。
書き方と記載すべき事項について
では実際に、書き方と記載すべき内容を見ていきたいと思います。
書き方
採用通知書の書き方に関しては、サイトなどを検索し一般的なテンプレートを利用して書くことをお勧めします!
採用通知書は、求職者の採用を決定するものとして通知するものとなりますので、記載する事項に漏れがあるとトラブルの原因になり、会社の信頼を失う可能性もあります。
上記リスクのため、わざわざ独自のフォーマットを新たに作るよりも、一般的にネットなどでアップされているものを修正して利用した方が抜け漏れなく採用通知書を作ることができます。
記載すべき事項
採用通知書において記載すべき内容は下記となります。
- 日付
- 宛名
- 差出人名
- タイトル(採用通知書)
- 採用を決定した旨
- 同封書類の内容
- 書類の返送期限
- 書類の返送宛先
- 頭語と結語
- 今後の流れやスケジュール
- 締めの挨拶
- 結語
- 人事担当者の問い合わせ先
求職者が安心できるように、今後の流れやスケジュールなど「次にどのようなアクションを起こせばよいのか」ということを明記することが大切です。
内定辞退を回避するために、採用通知を出して、求職者を安心させ、入社までのフォローをする事も重要です。
不採用の方への通知書
一方、不採用になった方にも通知書が必要で、「不採用通知書」がそれに当たります。通知書類にて気を付ける内容としては下記となります。
- 面接まで行った場合には、ご足労いただいたことへの謝意
- 書類のみの場合には、書類を送付頂いたことへの謝意
- 不採用の理由については記載しない
上記の点に気を配り、以下のような文面も加えることをお勧めします。
今回は採用を見送らせて頂く結果となりました。 貴殿のご希望に添えず、大変恐縮ではございますが、何卒ご了承賜りますようお願い申し上げます。
採用通知書と同封すべき書類
採用通知書に同封するものは、採用後の手続きにより多少異なってきますが、一般的には下記が必要になります。
- 添え状
- 入社承諾書
- 入社契約書
- 返信用封筒
添え状
添え状とは、「このような書類を送付いたします」という意味を持つ書類となります。採用通知を送るときに、文章だけを送ることは失礼に当たるため、必要となります。
どのような書類でも添え状を同封するのは一般的なマナーとされております。文章の中には時候の挨拶などを入れると良いですね。
入社承諾書
採用が決まった求職者が書く書類になります。入社までにある程度、期間があるときなどに用いらることが多く見受けれます。
企業側が採用通知書を出した後に求職者の内定辞退を未然に防ぐという目的も含め、「特別な理由が無い限りは入社します」という意志を企業側に向けて提出するものとなります。
企業側が記載するべき項目としては、以下の項目となります。
- 社名
- 代表取締役名
- 採用内定通知を受け取ったという旨の内容
- 入社する日付
- 入社することを誓約するという旨の内容
- 日付記入欄
- 住所記入欄
- 氏名記入欄
- 押印欄
重要なのは「求職者が記入する」ということで、場合によっては「書類は滞りなく提出する」「正当な理由なしで入社を拒否しない」などの誓約も付け加えることをお勧めします。
入社誓約書
入社の際に、誓約書を交わす場合もありますが、入社することに承諾するだけではなく、入社するにあたって「履歴書の記載内容が事実である」ということや「会社の名誉を汚すことはしない」ということを会社に約束をするものとなります。
誓約書に記載される内容としては、以下のような項目があります。
- 社名
- 代表取締役名
- 入社する日付
- 誓約内容(秘密情報や個人情報の取扱いや、会社貸与のものを退社時には返却するなど)
- 日付記入欄
- 住所記入欄
- 氏名記入欄
- 押印欄
- 返信用封筒
先述した書類を返信してもらうために、返信用封筒を入れましょう。不適切な会社に思われたり、求職者からの返事の遅延を防いだりします。
返信用封筒には返信先の自社の住所や宛名を書いておき、切手を貼っておくことをお忘れなく。
よくある注意点、ポイント
採用通知書はできるだけ早く送ることをお勧めします。採用難の時代となっており他社検討を防ぎ、対応が早い良い会社と言うイメージを求職者に持ってもらうことができます。
採用通知書に関しては文面ではなくメールでも可能となります。近年ではインターネット、スマホの普及からメールでの通知にも違和感は無くなってきております。
まとめ
いかがでしたでしょうか?思っているよりも当たり前のことを結構記載する必要がありましたか?
しかしこれから一緒に働く仲間として多少、手間かもしれませんがしっかり敬意を払いお互いが快く働けるようにするための第一歩だと私は思います。
別の記事では私の求人営業10年間の経験をもとに、私にしか語れない、
■採用単価を抑える方法
■面接で魅力的と思わせる方法
■媒体選定の基準
■就活生、転職希望者に役立つ情報
など、様々な企業の成功事例を含めて価値ある情報をお伝えしていきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。