ノウハウ

新卒が3年で辞めてしまう「早期離職」止め方を教えます。

 

新卒採用をしている人事の皆さん!あなたの会社の新卒はどのくらい続いていますか?入社後3年以内に離職する大卒者の割合は、過去20年間、概ね3割前後で推移しています。

 

5年続けている人がいるのでしたら1年で辞めている人もいるということになります。辞める原因は人それぞれで一概に断定できるものではありません。

 

今回は、早期離職に至る原因(仕事や待遇への不満、人間関係の悩みなど)、早期離職のメカニズム、またこの状況下における企業に求められる対策をご紹介したいと思います。

 

早期離職の要因

 

昨今の若者の意識は知名度や待遇で企業を選ぶ「就社」スタイルから、やりがいやスキルアップを重視する「就職」スタイルへとシフトしつつあります。

 

しかし、ここ20年変わらず、早期離職率は3割前後で推移し、変化の兆しは見えておりません。そんな若者の早期離職における要因は4つに分けて考えることができます。

 

要因1:環境要因

 

1つ目は景気に代表される環境要因となります。

 

好景気のとき

 

企業の採用熱度が上がることで求人数が増え、企業の採用ハードルも下がります。志望や能力に見合った企業に就職する学生が増え、離職率が低下するのです。

 

不景気のとき

 

逆に企業の採用熱度が下がることで求人が減り、採用基準は引き上げられます。学生は、不本意ながら志望に合わない企業に入社(不本意就職)することで離職率が上昇するのです。

 

しかし実際問題、景気が上向いている時も約3割が離職しているのです。そこにはもちろん別の要因が絡んでくることになります。

 

要因2:構造要因

 

2つ目は「構造要因」となります。

 

構造要因とは産業構造の変化を指します。バブル崩壊後に製造業の就業者数が減り、代わりにサービス業への就業者数が大幅に伸び、製造業を上回りました。

 

製造業は、一般的に長期安定雇用で人材育成が手厚いため離職率は低い業界です。一方、サービス業は早期離職率が高いため、全体の数字を押し上げることになりました。

 

要因3:企業要因

 

3つ目の要因は企業要因となります。

 

2000年前後からは終身雇用・年功序列のいわゆる「日本型雇用」が崩壊し、成果主義が台頭しました。そのため賃金の上昇率も鈍化し、一律に右肩上がりで昇給する未来が描けなくなったのです。

 

要因4:個人要因

 

4つ目の要因は「個人要因」となります。

 

企業に人生を保証してもらえなくなった学生個人の意識が変化しました。自分の力で生き抜くため、やりがいのある仕事や、興味のある仕事を探し始めたことがこれに当たります。

 

意識が高い学生ほどスキルや経験を求めて「就社」ではなく「就職」する傾向があり、逆に視野を狭め、望む仕事ができないのなら会社を辞める、という安易な考えにも結び付いているとも言えます。

 

早期離職におけるメリット、デメリット

 

では改めて早期離職におけるメリット、デメリットをご紹介したいと思います。

 

企業

 

企業としては採用・育成コストが無駄になってしまうため、早期離職のメリットは考えづらいです。

 

ただ、自社の方向性に合わない社員の離職の場合、雇い続けるコストに比べればはるかに小さく、長い目で見ればプラスと考えられます。

 

若者

 

若者にとっても志向に合わない業界、企業を把握することは、自分に合った企業を見つける第一歩となります

 

今では大企業でも転職という門戸を開いているので、昔の転職市場が発達していない時代に比べると良い時代になりました。

 

キャリア形成の上では不利に働く?

 

人事担当者の多くは、3カ月や半年で前職を辞めた人の採用をためらいます。新卒に比べると求人数も少なく、就職先の選択肢が狭まるおそれがあります。

 

スキルがほとんど積み上がっていない状態での転職は、能力的にも厳しいと言えます。

 

早期離職防止のためのキーパーソン

 

全国の社会人を対象にしたインターネット調査で、新入社員の離職に、特に大きな影響を与えるのは上司だということがわかっています。

 

新人は、「会社を体現する存在」として上司をとらえることが多く、上司との関係が悪化すると、「自分は会社そのものと合わない」と考えてしまう傾向があります。

 

上司が営業もせず嫌味ばかり行ってくるような職場だと、部下は会社自体に対して同様のイメージを抱いてしまうということです。

 

離職を思いとどめることができるのは

 

キーパーソンは上司となります。

 

ネガティブなイメージだけではありません。分析の結果から若手社員が「辞めたい」と思ったとき、離職を思いとどまらせる力を持つのも上司となります。

 

上司から「君は会社にとって大事な人材だ」と伝えることで、受け手は会社からも認められており、必要とされていると感じることができます。

 

若手の先輩社員を新人のメンターにつけることで、新人はメンターから意見を聞き、自分を見直すこともできるので離職という判断の際に、大きな助けになります。

 

上司が新人に大きな影響力を持つのは、入社したてで社内の人間関係が狭く、身近に接する人間が極めて限られていることが要因となります。

 

上司の残業が多くても、メンターがそうでなければ新人は「遅くまで働く会社」というイメージを持たず、会社を多角的に見ることができるのでメンターは有益な制度になります。

 

意味を説明すること

 

上司が部下へ業務を命じる際、その意味を説明することが重要となります。従来の日本型雇用は、企業が人生を丸抱えすることと引き換えに、社員のキャリアを決めるという等価交換で成り立っておりました。

 

そのため「つべこべ言わずに営業行ってこい」「回数をこなして基礎体力をつけろ」といった強引なやり方が通用していたのです。

 

しかし、現在はそれが崩れており、上司は会社における業務の位置付けや期待される成果、本人のキャリアに与えるメリットなどを話し、部下に納得してもらうことが必要となっているのです。

 

就職活動の段階で企業と学生とのミスマッチを減らし、早期離職を防ぐ対策

 

学生の就職活動に関わる中で、効果が高いと感じるのはインターンシップです。学生はインターンシップに行って職場の雰囲気を知ると、就職に対する意識が明らかに高まります。

 

インターンシップ経験者は未経験者に比べて内定を得る時期が早く、就職先に対する満足度も高い傾向がみられました。

 

多くの産業をみて回りたい学生から、参加しやすい短期インターンのニーズが徐々に増えています。

 

短期間のインターンシップで得られる学習効果はやや低くなるのですが、全く効果がないわけではなく、企業を知る役には立ちます。

 

ポジティブな離職

 

職業観が抜本的に変わった今、早期離職率が大幅に下がることは考えづらく、今後もやはり3割程度で推移すると考えられます。

 

ただ、早期離職率の3割の中身が重要となり、離職の中にはポジティブな転職もあるので、離職率が下がれば良いというわけではありません!

 

早期離職率が高止まりすることで、「若手社員への教育研修は無駄」と言う考えはNGです。逆に若手社員への投資を厚くしたほうが、会社にとどまる可能性が高まるからです

 

若者は外部労働市場でも通用する、普遍的な意味でのスキルを求めているため

 

企業は社員に逃げられたくないので、自社以外でも通用するようなスキルの提供をためらいがちですが、それが逆に帰属意識を高めるのです。

 

AI時代の到来で、若者はこれまで以上に高度でクリエイティブな仕事を求められるようになり、組織に所属しつつも、自分の専門性を意識し、個人の力を高めなければ生き残れません。

 

結果、若いうちにスキル・経験を積める会社に入社しようと考え、そのような機会を豊富に提供してくれる会社に留まる可能性が高くなると考えられます。

 

だからこそ企業側の教育への投資が、若者を引き留めるのです。

 

かつて企業は安定雇用だけでなく、福利厚生など多くの恩恵を社員に提供してきました。これらが失われる中、それに代わるものを企業も真剣に考えていかなくてはなりません。

 

有益なスキルも経験も与えず、ただ「会社にとどまれ」というのは無理な話です。

 

若手社員も与えられたものを受け取るだけではなく、企業がスキルアップの機会・経験を提供し、社員も業務の遂行を通じて企業の期待に応えるということがマッチングとなるのではないでしょうか。

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか?早期離職3割の背景を理解すると、ただ単に離職率を改善しよう!などという考えではなくなるかと思います。

 

再度いま、あなたの会社に必要なことを考え直してはいかがでしょうか。

 

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