知識・情報

障がい者雇用における基礎知識と必要な配慮

 

 

 

ほとんど進んでいない障がい者雇用に関しての基礎知識と実際に採用する際に必要な配慮をご紹介したいと思います。人事担当でもしご存じないのでしたら必ず確認ください。

 

今回は大きく分けて聴覚障害の方、てんかんをお持ちの方、発達障害の方、免疫機能障害の方の4つに分けてポイントを踏まえてご紹介したいと思います。

 

聴覚障害の方について

 

基礎知識

 

世間では、「聴覚障がい」という言葉を聞くと「単に言葉が聞こえない」という認識を持ちがちです。

 

しかし、実際は聴覚障がいになった原因や部位、発症時期によって聞こえの程度やコミュニケーション方法は様々。

 

今後の聴覚障がい者の就業定着化を図るには、まず企業の障がいに対する理解が必要となります。

 

聴覚障がいの種類

 

傾聴障がいと言っても下記3種類に分けられます。

 

感音性難聴

 

内耳、聴神経の障害による難聴となります。音が歪んだり響いたりして言葉の明瞭度が低いものとなります。

 

補聴器などで正確に聞き取ることには限界があり、文脈や雰囲気から予測することも多く、読唇、筆談、チャットなどが中心となります。

 

伝音声難聴

 

外耳、内耳の障害による難聴。音が伝わりにくくなっただけなので補聴器などで音を大きくすれば比較的聞こえ、治療により症状の改善が可能。音声会話が中心となります。

 

混合性難聴

 

伝音声難聴と感音性難聴の両方の原因を持つ難聴となります。

 

どのような仕事が向いているか

 

電話や外部とのやり取りなどによって業務が遮断される事が無いため、集中力が高い傾向にあり、高い正確性の求められるデータ入力などの入力作業に従事する方が多いです。

 

管理部門:

人事、総務、経理部門でのデータ入力作業、名刺作成、備品管理、伝票管理など

ミドル・フロント部門:

営業企画、マーケティング部門における数値、管理、資料作成、リサーチなど

IT部門:

システムの開発、運用保守、プログラミング業務など

デザイン部門:

HP更新管理、WEBデザイン、DTPデザイン業務など

 

就業上の配慮

 

筆談中心の方には

 

配慮方法:

筆談・メール・チャット・手話

配慮策:

受付マニュアルの作成

会議ではレジュメを共有

障害者理解促進のための研修

手話講座の解説

 

口話・発話中心の方には

 

配慮方法:

読唇・筆談・メール・チャット

配慮策

業務依頼はメールもしくはチャット

会議でもチャット・筆談を駆使

 

音声会話中心の方には

 

配慮方法:

音声、メール、電話

配慮策

音量調整可能な電話の使用

会議では発言者の近くに在席

大きな声ではっきりと発信する

 

採用成功への事例(ポイント)

 

  • 目に見えるコミュニケーション/障がい配慮に関するマニュアルを作成し、理解促進を図る
  • 障がい理解促進のための研修を実施し、支援ノウハウを蓄積

 

てんかんをお持ちの方に関して

 

てんかんをお持ちの方は、「精神障がい者保健福祉手帳」の支給対象となっています。7~8割の方は、適切な服薬管理によりコントロール可能となりますので、安定就業を見込みやすいと言えるでしょう。

 

基礎知識 

 

てんかんとは、大脳の神経細胞が突然乱れ、一部が過剰に活動してしまう「脳の慢性疾患」です。

 

2年間発作が起きていなければ、医師の許可のもと運転免許も取得可能となり、また、3年間発作が無い場合、医学的には寛解とみなされます(継続した服薬は必要)。

 

症状・発作頻度等は一人ひとり異なりますが大きく分けて下記の2種類に分けられます。

 

部分てんかん

 

  • 身体の一部がびくびくとけいれんする
  • 吐き気や嘔吐を起こす
  • 言われている言葉が理解できなくなる 等

 

全般てんかん

 

  • 急に意識がなくなり数十秒で意識が戻る
  • 全身に力が入らなくなり脱力を起こし倒れる
  • 四肢が突っ張ることで、全身がけいれんして倒れる 等

 

服薬や外科的治療でコントロールが良好であれば一般就業が可能となります。

 

就業上の配慮

 

必要な配慮

 

日常的な配慮は必要ありませんが数か月に一度定期的な検診が必要です。深夜勤務や不規則勤務は避けたほうが良いでしょう。

 

採用時の確認事項

 

発作が起きた場合を想定しどのような対応をすればよいか事前に確認し、緊急連絡先や普段通院している病院を確認しておくことをお勧めします。

 

どのような仕事が向いているのか

 

発作への配慮以外は特に一般社員と変わらず、幅広く事務職や接客、SEなどなんでも可能です。

 

採用成功への事例(ポイント)

 

  • 本人の健康管理徹底/正しい知識を配属部門にもレクチャーし理解促進を図る
  • 万一の際の対処方法を共有し、周囲の不安払しょく・理解醸成

 

発達障がいについて

 

基礎知識

 

一口に「発達障がい」と言っても、その種類や特徴は人それぞれです。雇用管理の工夫を通して、特徴を長所として活かして働いていくことが十分に見込めます。

 

発達障がいの種類

 

発達障がいは、脳機能の発達が関係する先天性の障がいです。

 

1歳頃からサインがあらわれ始めるケースが多いものの、成長と共に症状が目立たなくなる方、思春期頃に不安症状・うつ症状を合併する方、就職してから初めて障がいを疑い病院を訪れる方など、様々です。

 

社会性・想像力・コミュニケーションの3つの側面に独特な特徴を持っている方が多いほか、不注意、衝動性、多動性、感覚過敏、読み・書き・計算の苦手さといった特徴を持つ方もいます。

 

どのような仕事が向いているのか

 

個々人の特徴を職業上の強みとして活かし、力を発揮している方がたくさんいらっしゃいます。

 

興味ある分野の知識が豊富⇒専門知識を活かせる

 

  • IT部門:システム開発、プログラミング業務など
  • スペシャリスト:翻訳、法務など

 

いつも通りの秩序を重んじる⇒ルーチンワークに地道に取り組める

 

軽作業系:倉庫での仕分け、設備点検など

 

常識にとらわれず発想が自由⇒独特な発想・感性を活かせる

 

デザイン部門:WEBデザイン、DTPデザイン業務など

 

細かいことによく気付く⇒正確性・緻密性を活かせる

 

ミドル・フロント部門:データ入力、スキャニング、ファイリングなど

 

就業上の配慮

 

障がいの特徴は人それぞれですが、発達障がいを持つ方が力を発揮して就業するために、主に共通するポイントは以下のとおりです。

 

  • やるべき仕事、理由、手順、役割分担を明確にする
  • 思わぬところで悩んでいることがあるので、コミュニケーションを大切に
  • ルールや決まりを大切にするので、変更がある時は前もって伝えておく
  • 良い評価は良い仕事に繋がる
  • 注意や指示は遠慮なく、落ち着いて、具体的に

 

業務指示の際

 

マニュアルや指示書を用意し、説明するときはゆっくり説明しましょう。また具体的にやってほしいことを指示し範囲を決めることが大切です。

 

会話の場面

 

都合が悪くなった際はそのことを本人に明確に伝えましょう。また話が長かったり脱線したりしているときも、そのことを指摘しとめてあげましょう

 

仕事で困った時

 

時折、周囲から様子を伺い、発信することが苦手なので報告するタイミングなどをあらかじめ決めておいてあげるのが良いでしょう。

 

仕事が滞ってきたら

 

優先順位を明確に伝え、文字だけでなく図や写真など理解しやすい方法を模索しましょう。

 

仕事の切り上げ方

 

1日の仕事の終わりの目安を作り、終了時に上司への報告を徹底させましょう。

 

採用成功への事例(ポイント)

 

  • 経験・得意分野を活かす/企業・上司の率先した理解促進、バックアップ
  • 適切な業務配慮/業務に集中できる環境の整備により安定就業が可能に

 

免疫機能障がいの方について

 

基礎知識

 

「日常生活で感染」「いずれ死に至る」というイメージのあるHIV(免疫機能不全)ですが、1996~2000年にかけて相次いだ新薬の開発により、服薬でコントロールできる病気になりました。

 

業務遂行能力が高く、企業の様々な部署で活躍される方が近年増えてきていますので、ぜひ障がいについて正しい知識を深めてください。

 

エイズを発症させない時代

 

多剤併用療法(HAART)の開発により、ウイルス量をコントロールし、リンパ球の減少を抑えられるようになったことで、免疫機能の低下を防げるようになりました。

*CD4…免疫機能の発動に必要なリンパ球の数。正常な人で700~1500。 感染者は250~350を切ると治療を開始するのが現在の主流。

 

就業上の配慮

 

通院以外、一般の社員と同様に勤務する事が可能です。残業・出張等も特に問題なく、民間企業で就業される方がほとんどです。

 

通院頻度

 

一般的には2~3か月に1度の定期健診となります。

 

悪化するのか

 

適切な病院に通院し服薬していれば問題ありません。

 

感染の危険性は

 

きわめて感染力の弱いウイルスで感染の危険はほぼありません。

 

血液感染は

 

患者の血液が傷口や粘膜に触れることは避けましょう

 

まとめ

 

どれも身近なことではないかもしれませんがいざとなって時に知っておいて損はない知識なのでご理解いただけると幸いです。

 

別の記事では私の求人営業10年間の経験をもとに、私にしか語れない、

■採用単価を抑える方法

■面接で魅力的と思わせる方法

■媒体選定の基準

■就活生、転職希望者に役立つ情報

など、様々な企業の成功事例を含めて価値ある情報をお伝えしていきます。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。