
昨今求人倍率の上昇から20代の若手や30代のいわゆる若手採用が難しくなってきています。そんな中注目されているのはミドル層、シニア層の採用です。
採用関係の営業から若手の採用は難しいので少し年齢層の高い層や、ミドル層、シニア層の採用は難しいですかと提案を貰う機会が増えていませんか?
理由なく採用要件は20代、30代などとしていると本当に採用ができなくなりますよ!すでにミドル層、シニア層の採用に踏み切っている企業も転職市場では多く見られます。
今回はミドル層、シニア層の概要を理解し、自社で採用できないのか、採用するには何が必要なのかを一緒に勉強していきたいと思います!
ミドル層、シニア層を取り巻く環境
いまのミドル層、シニア層を取り巻いている環境を一緒に見ていきましょう!
現在の社会は人間の適応力を超える速さで加速している
ムーアの法則「半導体の集積率は18カ月で2倍になる」をご存知でしょうか?提唱された1964年以来、50年続いています。
簡単にご説明するとかつてない革新が起きている時代であり、ものすごい速さで世界が成長しているのです。その中で本来は日本の雇用や労働者にも変化が求められるはずでした。
変化が必要な「日本型雇用」はむしろ強化されている
就業者に占める雇用者比率は1955年44%から2017年時点で89%と60年で約2倍以上になっていました。
現在2020年はフリーランスなど働き方改革により少し下がっておりますが以前として8割以上が雇用されているような状況です。
「終身雇用」の支持率は9割以上という調査結果
1999年では労働者の72%が終身雇用を支持、2015年時点で87%に増加しました。着目すべきはミドル層やシニア層だけでなく20代、30代の若手でも顕著に増加しています
変化の時代にどの世代も適応に不安を感じ安定を求めていると言えます。
マネジメントと引退の風潮
どういうことでしょうか?
日本企業の新卒は入社から20~25年程度の長期期間、人事異動を繰り返す流れです。周りに50代くらいの社員さんがいれば是非聞いてみてください!※聞き方には気を付けてくださいね。
キャリア後期まで本来は経営幹部へのキャリアアップの可能性が残り社員は20~25年などの長期期間の人事異動に耐え、モチベーションを高く維持して働いているのです。
しかし50代などでの役職定年や60代での定年再雇用を迎えることで「幹部への昇格がない」と理解し引退することを余儀なくされます。引退モードに入ってしまうのですね。
そうなればモチベーションは顕著に下がり喪失感を強く感じる方もいらっしゃいます。

ミドル層、シニア層の活躍の実態
ではどのようなミドル層、シニア層が躍進しているのかを見ていきたいと思います。
活躍、躍進が見える5つの行動特性
上記の引退ムードに伴いモチベーションが下がる人もいますが逆に躍進している人材もいるのです。その違いや原因を調査結果からみると5つのポイントが見えてきました。
5つのポイントとはどのような行動特性なのかご紹介していきたいと思います。
仕事の意味付け
- 現在の自分の仕事が経営や会社に対してどのような意味をもたらすかを理解する
- 自分の状況だけではなく会社全体の状況を理解し仕事を進める
- 作業ではなく業務、仕事の意義を自分なりに新しく捉え直している
なにごともまず、やってみる精神
- 否定するのではなくやってみて修正する
- 新しい業務や仕事を受け入れ、まずやってみる
- 失敗しても新しいことを試すことで成長に繋がると考える
学びを生かすスタンス
- 今までの経験から分析する
- 基本の仕事の中から応用ができるように仕事のコツを掴む
- 誰かに説明できる程度までノウハウを自分なりに落とし込んでいる
自分から周りの人と関わっていく
- 自部署だけでなくほかの部署などと積極的にコミュニケーションを取る
- 自分と考えが違うような多様な人々と自分から関わる機会を増やす
- 賛成意見ではなく自分と異なる意見や主張を積極的に引き出す
ポイント:年下とうまく関係を構築し業務に取り組む
- 仮に年下の上司でも割り切り受け入れて仕事に取り組む
- 仕事やプロジェクトを進めるうえで、そもそも相手の年齢にこだわりを持たない
- 年下の上司でも指示やアドバイスなどを素直に受け入れる姿勢を持つ
なんとなく自分の周りでイキイキ働いしてる年配の方を想像できましたか?この5つのポイントはジョブパフォーマンスと高い相関性があることがわかっています。
5つのポイントから5つのタイプ
躍進行動の5つのポイントをご紹介しましたね。その中で社員を5つのタイプに分けることができます。
- 伸び悩みタイプ:38%
- バランスタイプ:30%
- ハイパフォーマータイプ:19%
- 事なかれ、安住タイプ:9%
- 不活性タイプ:3%
それぞれのタイプ
上記5つのタイプで最も多いのが「伸び悩みタイプ」です。このタイプの特徴は躍進行動ができていないわけではないのですが全体的に低く停滞している傾向があります。
躍進行動がバランス良くできている「バランスタイプ」と「伸び悩みタイプ」の差はさほど大きくありません。ほんの少しの改善をもって企業に貢献できる人材になり得ます!
躍進のエンジンとブレーキ
では具体的にどうすれば「伸び悩みタイプ」から「バランスタイプ」に躍進できるのか見ていきましょう!
躍進モデルを理解する
躍進行動にポジティブな影響を与える要素、要因を「躍進エンジン」、躍進行動にネガティブな影響、要因を「躍進ブレーキ」と呼びます。
上記の「伸び悩みタイプ」を「バランスタイプ」にステップアップさせるには、このエンジンとブレーキの使い分けが非常に重要となってきます。
躍進行動に関する「上司マネジメント」「職場の人間関係」「研修、カウンセリング」「個人のキャリア意識」の4つの領域における各エンジンとブレーキになる項目を整理してみていきましょう!
上司のマネジメントにおける行動
エンジンとなる場合
成長実感、並びに重要な仕事を任されたいという考えから裁量の付与は大きなエンジンとなります。
上司が自己開示し、仕事ぶりを上司が観察することが重要です。年下上司は年上上司に比べこのエンジンマネジメントが下手と調査で判明しています。
ブレーキとなる場合
年齢に変に気を使い若手やほかメンバーと異なる「特別扱い」をすることはNGです。周囲と平等に扱いましょう。
また年下上司が気を使い段取りを整えてやる気を削いでしまう「社内調整」も控えましょう。
職場における人間関係
エンジンとなる場合
社員が職場に自分の居場所があると認識できることが重要です。お互いに助け合い必要とされている状況ですね。
上司、メンバーと良好な関係で情報交換が活発な組織は躍進行動が生まれやすいのです。
ブレーキとなる場合
意外かもしれませんがプライベートな交流はブレーキになる場合があります。必要異常な濃密な関係性を望んでいない人が多く見受けられます。これは若手にも同じことが言えます。
研修、カウンセリング
エンジンとなる場合
人事や別部署の人、社外のスタッフによるキャリアカウンセリングやマネジメント研修などはエンジンにあります。
一緒に働いていない人に対して今の悩みや愚痴を言えるという利点もあります。
ブレーキとなる場合
放置されていると感じるので研修や交流がないという状況はブレーキとなります。
キャリア研修では年収を上げるという観点ではなく「今後も活躍していけるように」という観点で行うのが良いでしょう!
個人のキャリアへの意識
エンジンとなる場合
仕事における成長実感が重要です。例えば社会貢献しているのか、社会的な意義が何なのかなどを認識することです。専門性の向上や発揮を見直すことがポイントになります。
専門性を高めることで組織の中での影響力が大きくなり仕事による成長実感が得られるのです。意見が尊重されたり居場所を感じたりとやる気が向上するのですね。
まとめ
自走するためのキャリアは各会社、様々な取り組みをしています。60歳以上を積極雇用し若手への教育やスキル、知識の伝承などと活躍頂いているケース。
もと経営者や事業部長レベルの方に外部講師という立場などで営業指南の講習などをお願いするケースなど様々です。
これから労働人口は更に減少し、女性や、外国人、ミドル、シニア層を労働の糧にできるかどうかが今後のあなたの会社経営を左右します。ぜひミドル層シニア層の躍進に目を向けてみてください。
別の記事では私の求人営業10年間の経験をもとに、私にしか語れない、
■採用単価を抑える方法
■面接で魅力的と思わせる方法
■媒体選定の基準
など、様々な企業の成功事例を含めて価値ある情報をお伝えしていきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。